「機械設計の仕事」と言われて、実際にどんな仕事なのかは経験者でないとイメージが湧きにくいですよね。
今回の記事では、産業用機器メーカーに約15年勤めている現役機械設計者が、機械設計について詳しく解説します。
👤「機械設計の仕事って、どんな内容なの?どんな人がなるの?」
👤「機械設計者の年収ってどれくらい?年収を上げる方法は?」
👤「機械設計に資格は必要?」
👤「機械設計に向いているのはどんな人?」
こんな疑問にすべてお答えします!
自動車、家電、携帯電話…私たちの日常生活を豊かにする多くの製品は、機械設計者たちが形を作り、生まれてきたものです。
私たちの日常では、機械設計者の仕事ぶりを見る機会は(同業者以外は)めったにありませんね。
しかし、機械設計者が仕事で生み出してきたもの・製品はあらゆるところにあるのです。
今回の記事で、機械設計の仕事について少しでも多くのことがわかると嬉しいです。一緒に機械設計の世界を見てみましょう!
機械設計とは?

機械設計は製品の機能や構造を考えて、図面を書き、ものを作っていく仕事です。製造業のさまざまな業種で活躍しています。
機械設計の基本的な仕事内容
機械設計は、身近な製品(自動車や家電)や、工場で動く機械・設備(食品機械や生産設備)を設計する仕事です。
私たちの身の周りにある製品として、エアコンを見てみましょう。エアコンは、樹脂製のカバーの中に、次のような部品があります。
・熱交換器:エアコンの中に取り込んだ空気を、温かくする/冷たくする部品
・送風ファン:風を部屋の中に送り込む部品
・フィルター:エアコンの中に空気を取り込むとき、ほこりを取り除く部品
これらの部品をエアコンの機能(暑い部屋を涼しく/寒い部屋を暖かくする)を最大限に発揮するように作り、配置します。
そうしてエアコンの構造を決めていくのが機械設計者の仕事になります。
設計というと設計図を描くことが中心に思われがちですが、
✅作ったものを評価する
✅製品が量産化されるときに生産ラインに立ち会う
など、その仕事内容がカバーする範囲はとても広いです。
また、エアコンは部品だけ完成しても、動くことはできません。
・部品に電源を付け、電気で駆動させるための仕組みを作る電気設計者
・動きをコンピュータによってプログラムするソフト設計者
こういった別の分野の設計者たちが集まって、はじめてエアコンが機能します。機械設計者は、こうした他分野の設計者たちともコミュニケーションを取り、チームで1つの製品を作り上げていくのです。
機械設計者はどこで働いているのか
機械設計者は製造業、メーカーと呼ばれる業界の中で、技術系の会社員として働いている人が多いです。
メーカーとひとことで言ってもその幅は広いのですが、大きく次のように二分されます。
- BtoC(Business to Consumer)メーカー:自動車、家電、スマホ、PC用品など、製品が私たち一般消費者のところで使われる製品
- BtoB(Business to Business)メーカー:半導体製造装置、食品機械、産業用ロボットなど、製品が企業で使われる製品
また、メーカー以外でも次のような場所で機械設計者として働いている人もいます。
- 工場の生産技術者:化学プラントや製薬工場で、製品を作るための生産ラインを設計する
- 設計会社:機械や設備を設計し、図面をメーカーに納品する
- ロボットSIer:産業用ロボットをロボットシステムとして、お客さんの工場に導入する
機械設計者になるための進路
メーカーに就職する機械設計者で一番多いのは、工学系の大学/大学院を卒業した人です。大学では設計で使う学問の基礎となる数学や機械工学、設計工学を学んで、就職後に設計業務に従事していきます。
次に多いのが工業高等専門学校(高専)を卒業した人です。高専は早くから実務を意識したカリキュラムを受けているため、現場力に優れた人材が多いのが特徴です。メーカーでは、即戦力とも言えるほどに設計・開発業務に貢献する高専卒の技術者が多数活躍しています。
工業高校出身の若い人が設計職として働くケースもあります。基礎的な製図や機械の知識を持っているため、現場への理解も早く、年齢的にも吸収が早い印象です。
機械設計の仕事の流れ
作るものが違っても、機械設計者の仕事の流れはおおむね次のようになっています。
それぞれのステップを、順番に解説していきます。

仕様策定
求められる製品の機能、性能を決め、文書化するのが仕様策定の主な仕事です。お客さんの要求や市場のニーズを満たすために、必要な性能・項目が仕様となります。
これらの項目を仕様書にまとめ、社内外の関係者から合意を得ていくプロセスが仕様策定になります。
エアコンの製品設計を例に挙げると、
✅室内機の寸法は〇〇mm×△△mm×□□mm以下
✅冷房能力/暖房能力は◎◎kW
✅ファンの風量は☆☆m2/h
などの項目が仕様となります。
仕様が満たせるかどうかは、シミュレーションや簡易試験を行ったり、簡単なプロトタイプを作ったりして、本格的な設計に入る前に、事前に検証することもあります。
ここでお客さんの要求を満たしつつ、現実的にものづくりができそうか?というバランス感覚が重要です。
構想設計
構想設計では、仕様を満たすための大まかな構造や手段を決めていきます。
エアコンを例に挙げれば、
✅仕様で決められた室内機の寸法に、熱交換機やファンが入るか?また、各部品の位置をどこに置くか?
✅冷房能力/暖房能力を出せる熱交換器のフィンは、どのような形状か?
✅仕様で決められた風量が出せるファンはどのような羽根の形状で、どれくらいの大きさなのか?
などの項目を検討していきます。
この時点では、細かい形状までは作りません。おおまかな構成がわかる3D CADモデルや計画図、設計計算書がアウトプットになります。
詳細設計
詳細設計では、構想設計で決まった構造をものづくりができる形状に落とし込んでいきます。
エアコンの例だと、熱交換機やファン、フレーム、外装などの部品を図面と呼ばれる設計図に描いていきます。図面はCAD(Computer Aided Design)と呼ばれるツールを使って、パソコン上で描きます。
図面や材料表(どの部品を何個作るか指示したリスト)、設計計算書などの設計書類がアウトプットになります。
機械設計者と言えば図面を描いているイメージがありますが、図面を書くのはこの詳細設計のフェーズで、実は全体のほんの一部の仕事なのです。
試作
新しいものを作るときは、量産の前にまず試作をします。試作は協力工場や自社の製造部門内で部品を作り、組立をします。
実際に部品を加工したり組立するのは製造部門のメンバーですが、ものを組み立てる際は基本的に設計者も同席(立ち合い)をします。とくに初めて作るものは、組立時の不具合が出る場合も多く、どう解決するかを製造部のメンバーと一緒に考え、対策を打っていきます。
評価
試作品が仕様通りの機能・性能を出せるかテストします。事前にどういう項目を試験するかを決めておいて、各項目を測定機や試験装置を使って評価していきます。
評価の項目はおおむね仕様書で決めた機能・性能が満たせるか?という観点で決められます。
エアコンを例に挙げれば、
✅仕様で決まっている冷房能力/暖房能力があるか?
✅仕様で決まっている風量が出せるか?
✅仕様で決まっている規定値以下の騒音か?
といった項目が評価されます。
報告
試作や評価の結果について、報告をします。例えば、次のような項目が報告内容になります。
- 試作や評価の結果
- 仕様を満たせたかどうかの確認
- 試作の改善点や、量産化における課題
テーマによっては、これまでの取り組みを社外で発表することもあります。
試作機を展示会に出展する、試作で使われた技術内容を学会で発表する、というケースですね。
この後は、試作機の問題点を改良した2次試作をする、製品化のための量産設計をする、といった進め方が考えられます。
機械設計としては、関わった製品が世の中に出ることが成功ルートと思いますので、次の流れとして量産設計について解説します。
量産設計
試作をベースに、量産機の設計をしていきます。量産設計では次のようなポイントを意識して設計します。
- 工場部門と製作についてすり合わせができているか
- 試作機の問題を全て解決できているか
- 量産に適した部品形状や、製造方法になっているか
- 部品はすでに量産しているものがなるべく共用できるか
特に最初に挙げた「工場部門とのすり合わせ」は非常に大事です。製品を実際に作るのは工場部門ですから、工場側の協力が得られないと量産化はできません。
工場部門とは量産のスケジュールや内製/外製の範囲、生産ラインの確保など、事前に話し合っておくことがポイントになります。
※もっとも、このあたりの進め方は機械設計というより、プロジェクトマネジメントの領域になってきます。
量産立ち上げ
製品化に目処が立てば、量産立ち上げのフェーズに移ります。
ここでの仕事は製品や企業によっても変わると思うのですが、設計者として製品の量産がうまくいくように全力を尽くします。
筆者の経験上、次のような仕事が考えられます。
✅量産ラインで立会いをして、不具合がでたら対策を打つ。場合によっては設計変更をする
✅組立・作業手順書の作成をサポートする
✅品質部門と話して出荷試験の項目をすり合わせる
晴れて製品化し、量産ラインが立ち上がれば、自分が設計した製品が世に出ることになります。
設計者がいなくても量産が進むようになれば、この製品は設計者の手を離れ、次の製品を設計する仕事が始まります。
機械設計の仕事の良いところと大変なところ
光があれば影がある…ということで、機械設計の仕事をしていて「やってて良かったなぁ」と思う時もあれば、「大変だなぁ」と思う時もあります。
ここでは、筆者の経験から機械設計の良いところ/大変なところを紹介します。
良いところ
機械設計の仕事で一番やりがいを感じる瞬間は、「自分が設計したものが実際に形になって動くところ」を目にしたときです。設計段階で頭を悩ませながら考えた構造や、安全性、使い勝手への配慮。それらがすべて実物になり、自分の思い描いた通りに機械が動き出す瞬間は、何度経験してもワクワクします。
そして、その機械が実際にお客様の現場で使われ、誰かの役に立っていると想像すると、「ものづくりを通じて社会に貢献できているんだ」と実感できます。
特に私は、これまで世の中になかった新しい機械の設計に多く携わってきました。「この機械が、少しでも世の中を変えていく一歩になるかもしれない」と思いながら仕事に取り組むのは、開発系の機械設計者ならではの大きな魅力だと感じています。
大変なところ
機械設計の仕事で特に大変だったのは、不具合が発生したときの対応です。
量産直前の評価試験で不具合を出してしまったことがあります。そのときは、工場の生産メンバーや商品企画の担当者に頭を下げて、スケジュールを調整してもらいました。
また、次の3つを短時間で整理して説明する必要がありました。
- 不具合の原因は何か
- どのような対策を講じるのか
- いつまでに解決できるのか
特に新しい機械の場合、原因が一目でわからないことも多く、限られた日数の中で手探りで原因を追い、対策を実施しなければなりません。そのプレッシャーは、今思い出してもなかなかのものでした…。
それでも、振り返ってみると、この経験が大きな成長につながったと感じます。限られた時間の中で最善策を出す力、論理的に状況を整理して関係者に説明する力、そして周囲のサポートを得ながらチームで問題を乗り越える力――どれも不具合対応を通じて身についたスキルです。
特に上司の的確なサポートや、現場・企画部門からの協力があったからこそ、乗り越えられたと強く感じています。「設計者一人でできることには限りがある。だからこそ周囲と連携することが大事なんだ」と学べた貴重な経験でした。
機械設計者の年収について

機械設計者のことが知りたいなら、やっぱり年収は気になりますよね。
ここでは、機械設計者の年収について見ていきます。
これから設計職を目指す方にとっても、また採用を検討している企業担当者にとっても、年収事情は重要な情報だと思います。
業界データと私自身の経験・所感をもとに、機械設計者の年収相場や、年収を上げるための方法についてまとめました。
機械設計者の平均年収
doda職種図鑑によると、機械設計/金型設計/光学設計の平均年収は482.8万円となっています。
日本のビジネスパーソンの全体平均年収(2024年)が426万円ですので、機械設計者の年収は平均的~平均よりやや高めといった印象です。
メーカーに就職し、大卒・総合職として働く場合だと、平均年収はもう少し上がりそう、というのが個人的な所感です。
出典:doda職種図鑑
出典:日本のビジネスパーソンの平均年収は?平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】
機械設計者の年齢別の年収
厚生労働省がまとめた「賃金構造基本統計調査」より、職業ごとに年齢別の給与額が公開されています。
今回は「男性、企業規模10人以上」の「機械技術者」の年齢別平均年収を紹介します。
※男女合わせた統計データはなかったこと、機械設計者の割合は現状、男性が多いことから、男性の統計データを採用しています。

大学を卒業して新卒で300万円後半からスタートし、キャリアアップとともに年収は増加。
55~59歳で約844万円がピークとなるような年収カーブとなっています。
個人的には、この年収カーブにあてはまる設計者が私の周りでは多いかな、という印象です。
年収を上げるには
では、「もっと年収を上げたい!」という場合、どんな方法があるのでしょうか。
結論、「規模が大きく、年収の高い業界」の企業に転職することが最も手っ取り早い方法です。
機械設計者の年収は、「どの規模の企業で働くか」「どの業界で働くか」で大きく左右されるからです。
企業規模
一般的に大企業のほうが年収水準は高い、というのが現実です。資本力があり、売り上げ規模が大きい規模ほど、設計者への給与水準も高くなります。
企業規模ごとの機械技術者(男性)の年齢別年収をグラフにしてみました。
※前述した同じ理由で、今回は男性の統計データを採用しています。

40~44歳の平均年収を比べると、
- 1000人以上の企業規模:819万円
- 10~99人の企業規模:589万円
と、200万円以上の年収差が出ることがわかります。
業界
製造業と言っても、作るもの・分野によって業種が変わります。特に年収が高いと言われているのは次のような業界です。
- 半導体製造装置業界
- 輸送機器業界(自動車関連)
これらの業界は製品に競争力があり、企業の収益力も高いです。そのため、設計者への待遇も比較的良くなります。
機械設計者が在籍する高年収企業
以下は、機械設計者が在籍する高年収企業と、その平均年収をピックアップしたものです。
企業名 | 業界 | 平均年収(万円) |
レーザーテック | 半導体製造装置 | 1638 |
ディスコ | 半導体製造装置 | 1507 |
東京エレクトロン | 半導体製造装置 | 1273 |
ソニー | 電機 | 1113 |
トヨタ | 輸送機器 | 900 |
デンソー | 輸送機器 | 839 |
最も早く年収を上げる方法は、これらの年収が高い業界・企業に転職することです。
筆者の周りでも、電機業界から輸送機器業界に転職したエンジニアの先輩がいます。先輩から話を聞くと、「年収は1.3倍アップした」とのこと。
専門分野は変えていないのに、業界を変えただけでこうも年収が上がるのか、と当時は驚きました。
もちろん転職にはリスクもありますが、実務経験を活かし、需要・収益性のある業界にキャリアチェンジすることで、年収が大きく上がる事例は少なくありません。
働く場所を変えることで、機械設計者の年収1000万円越えは夢ではないと言えるでしょう。
機械設計者の資格について
ここでは、機械設計者の資格について解説します。
機械設計の仕事で資格は必要?
結論、機械設計の仕事をするために資格は必須ではありません。経験上、就職や転職活動で機械設計の資格を求められることはありませんでした。周りの機械設計者を見ても、資格を取っている人は少数です。
採用する企業としては、資格よりも実務経験や、特定のジャンルの設計経験を重視しています。
とはいえ、資格取得が全くのムダと言うつもりはありません。資格を取ることで今現在の自分のスキルが客観的に見え、結果的に業務への自信につながっていくからです。
周りの機械設計者が比較的取っている資格を次に挙げてみます。
技術士(機械部門)
「技術士(機械部門)」は、機械設計の仕事に関係のある資格の中でも最もレベルが高い国家資格です。分野ごとに全部で21の部門に分かれており、その中の一つが「機械部門」です。
取得には実務経験(7年以上)と、筆記・口頭試験での高度な技術知識と課題解決能力が問われます。
実際のところ、技術士資格がないとできない機械設計の仕事はほとんどないでしょう。
機械設計で「技術士限定の求人」も見かけたことがありません。
ただし、この資格を持っていることで、機械設計者として幅広い知識を有していることの証明になります。
名刺に「技術士(機械部門)」と記載できるので、初対面のお客様や取引先から「この人は技術士の資格を持つほどレベルの高い技術者なんだ」と一目置かれる場面も多いでしょう。
CAD利用者技術試験
CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)が主催する民間検定です。
この資格は「2次元CAD利用者技術試験」と「3次元CAD利用者技術試験」と2分されており、それぞれ次のような試験体系があります。
- 2次元CAD利用者技術試験:基礎/2級/1級(1級は機械・建築・トレースから分野を選択)
- 3次元CAD利用者技術試験:2級/準1級/1級
いずれもCADの基本的な使い方や製図の基礎的な知識が習得できる資格となっています。「新卒/第二新卒で図面実務は未経験だがCADオペレータとして就職したい」という方は、取得して損のない資格と言えます。
一方で、すでに実務での設計経験が豊富な方は、取得メリットは相対的に小さいです。多くの企業は資格よりも実務経験とそこで得た成果、課題への取り組み方を重視するからです。
この資格はあくまで、CAD未経験の新卒/第二新卒者の就職への取っ掛かり、または自分のCADに対する理解がどれくらいか客観的に見たい場合に受験する、という位置づけとして捉えるのがよいでしょう。
実務経験が一番の資格です
ここまで資格について書きましたが、お伝えしたいのは機械設計の世界で最も評価される資格は「実務経験」だということです。
たとえ上記のような資格を持っていなくても、
- どんな製品を設計してきたか
- どんな課題に直面し、どう解決してきたか
- 設計現場でどのように貢献してきたか
といった具体的な実績やスキル、現場での対応力が評価されます。
私自身、これまでの転職活動に企業から一番よく聞かれたのは「過去にどんな設計をしてきたか?」という質問でした。
資格はあくまで参考程度にし、「目の前の仕事でどんな経験値を積むか」を常に意識することが、キャリアアップへの一番の近道だと思います。
機械設計が向いている人の特徴3選

これまで10年以上この仕事をしてきた経験から、「こんな人が機械設計に向いている」と思う特徴を3つ紹介します。
ものづくりが好き
まず何よりも大事なのが、「ものづくりが好き」という情熱です。
設計の仕事は、地味で根気のいる作業が多いです。
試作で思った通りに動かないこともあるし、原因不明の不具合に悩まされることもあります。
そんなときでも、「どうすればうまくいくだろう?」「もっといい方法はないか?」と前向きに考えられるのは、やっぱりものづくりが好きだからこそです。
好きだから続けられるし、好きだからこそ、つらい時期も乗り越えられる――
これは多くの設計者に共通している部分だと感じます。
コミュニケーション能力がある
「設計って、一人で黙々と図面を書いている仕事じゃないの?」
そう思っている方も多いかもしれません。
でも実際は、社内外のたくさんの人とやり取りをしながら進める仕事です。
例えば、このようなやりとりが毎日のように行われます。
- 上司に設計進捗を説明する
- 製造現場に加工や組み立ての注意点を伝える
- 電気設計やソフト設計の担当者と仕様をすり合わせる
- 購買担当やサプライヤーと購入品の仕様について伝える
ここで言う「コミュニケーション能力」とは、必要なことを正しく、漏れなく、わかりやすく伝える力のこと。関係者に正確に情報を伝える力は、間違いなく必要なスキルです。
几帳面で細かいところまで気を配れる
最後はこれ。細かい部分まで気を配れる「几帳面さ」です。
次のような設計ミスで組み立てができないなどのトラブルに結び付きます。
- 面取りの指示が抜けていて、部品がうまく組み付かなかった
- ボルト穴の位置がずれて、現場で加工をやり直した
- 強度計算の見落としで、評価試験で不合格し、再設計の手戻りが発生した
「細部に魂が宿る」と言いますが、まさに設計はその連続だと感じます。細かいところをひとつひとつ問題が無いか確認しながら設計できる人は、ものができてからの不具合を少なくできるでしょう。
まとめ
今回は、「機械設計とは?」というテーマで、仕事内容や年収、資格、向いている人の特徴まで、現役設計者の目線で解説しました。
機械設計の仕事は、一言で言えば「ものづくりの最前線で、アイデアを形にする仕事」です。
設計図を描くだけでなく、仕様策定、試作、評価、量産立ち上げまで、製品が世に出るまでのプロセスに関わります。
大変なこともありますが、「自分が設計したものが動く」「誰かの役に立つ」という達成感はやりがいを感じますし、量産化して無事世に出た後もまた次の仕事に取り掛かるモチベーションになります。
この記事が、これから機械設計のお仕事にチャレンジしようと考えている方や、機械設計者の採用を考える企業担当者の方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
もし、「自社に設計者がいない」「設計リソースが足りない」といったお悩みがありましたら、一度お気軽にご相談ください。
私は機械設計の業務委託という形で貴社のものづくりの支援も行っています。
まずはどんな内容でも構いませんので、お問い合わせフォームからご連絡いただければと思います。
貴社のものづくりのお力に貢献できれば幸いです。
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