製造業はなぜ人手不足なのか?理由と対策3選を解説します

製造業 人手不足 コラム

50代、60代の社員がもうすぐ退職し、人手不足になりそう

新卒採用でなかなかいい人材が見つからない・・・

このような悩みを抱える製造業の社長さんや採用担当者の方は多いのではないでしょうか。

今回は、製造業が人手不足である理由と、人手不足への対策3選を解説します。

✅製造業が人手不足なのは、社会の構造的な問題。
✅人手不足対策として、「外注」「外国人人材」「副業人材」を活用しよう!

上記が、この記事の結論になります。

自社内の設計リソースに限界を感じている、エンジニアや技能職の新卒採用に苦戦している、という企業の採用担当者・中小企業の社長の方々にぜひお読みいただきたい記事です。

キウイです。産業機器メーカーに勤める傍ら、ブログ「キウイ設計」を運営したり、業務委託として機械設計の副業をしたりしています。

なぜ製造業は人手不足なのか?

製造業が人手不足の現状には、社会の景気動向や、日本の人口動態、若者からの人気など社会構造的な問題があります。

以下にその理由を解説していきます。

製造業が人手不足の理由①:近年は景気が比較的良い

リーマンショック時やバブル崩壊後の就職氷河期時代と比べると、ここ十年は比較的景気が良いです。

完全失業率は、リーマンショック後の2009年7月に過去最高の5.5%を記録した後、低下傾向にあり、2025年12月は2.6%となっています1。2020年はコロナショックで一時期3%を超えた時期もありましたが、すぐに2%台に低下しました。

(画像引用:総務省「労働力調査(12月)」)

また、企業の設備投資額も24年度で過去最高を更新しています2

設備投資が多いということは、それだけ新しい機械が作られる案件が多く、製造業全体として仕事があるという状況です。

製造業の人手不足感は、転職求人倍率データにも出ています。dodaによると、エンジニア(機械・電機)の求人倍率は5.69と、全体の求人倍率2.57を大きく上回っています3

このように、近年の景気動向から数値で「製造業の仕事が多くある=製造業の人手不足」ということが見えてきます。

製造業が人手不足の理由②:若者の人口が減っている

少子高齢化が叫ばれて久しい日本ですが、統計を見ても若者の人口は明らかに減っています。若者の絶対数の減少により、新卒を採用したくても十分な人数を確保できない企業が増えています。

特に地方の中小企業は人手不足が顕著になっています。

以下は0~34歳の日本の人口の推移を、2000年~2020年の間で表したグラフです。この20年間で、34歳以下の若者の数は約24%減っていることがわかります。

日本の0~34歳の人口推移
グラフは人口推計をもとに筆者作成

製造業が人手不足の理由③:大学生から選ばれない業界になっている

残念ながら、将来の技術者のなり手である大学生は、製造業の就職を希望する人が減っています。

2023年度の大学学部卒業者における就職者数の増減を2018年と比較すると、製造業は約5,000人就職者数が減っています。一方で情報通信業への就職者数は約11,000人と増加しています4

概して、製造業が不人気で、IT業界が人気という状況です。

実際、インターンシップで会社に来る学生さんの話を聞いても、

学生さん
学生さん

情報学科は人気で倍率も高い。機械学科はものづくりに興味のある学生が来るものの、倍率はそこまで高くもない

とのことでした。

IT産業は成長産業であり、この業界はリモートワークや独立がしやすいなど、働き方に自由度があるのも若者を引き付けるのでしょう。

製造業が人手不足の理由④:50代~60代のベテランが引退する

日本のメーカーにおいて設計者のボリュームゾーンは50代~60代が多いです。この世代はバブル期の大量採用によって、社員数が多くなっています。

一方で40代の技術者は少なく感じます。筆者が勤める産業機器メーカーでも体感的にそう思いますし、日経クロステックの記事においてもHIOKI(日置電機)や住友電設も同様に「40歳代の従業者が特に少ない」とのことです5。40代は就職氷河期の世代で、企業が採用数を抑えた結果と考えられます。

これから定年を迎え引退する技術者も多くなり、働き盛りともいえる40代が少ない、というのが現状なのです。50代~60代の技術者が引退すると製造業の働き手が減り、人手不足がより加速すると考えられます。


このように製造業は総じて仕事はあるが、なり手が少ないという状況であるため、人手不足になっていると言えます。

では、この人手不足の状況を打開するにはどのような方法があるでしょうか?

製造業の人手不足対策①:外注する

社内に人材が足りない場合、社外に外注するのは当然のセオリーじゃないかと思われるかもしれません。

しかしここでお伝えしたいのは、外注にはさまざまな形があるということです。自社の課題に応じて、適切なアウトソーシング先を選ぶことが重要です。

例えば、以下のような外注方法があります。

設計業務の外注(派遣会社・設計会社・フリーランス)

機械設計や電気設計などの専門業務は、派遣会社から技術者を派遣してもらったり、設計会社やフリーランスの設計者に委託する方法があります。
スポットでの依頼や、プロジェクト単位での契約も可能です。

設計者を正社員で採用するには時間もコストもかかりますが、外注であれば必要なときに、必要な分だけリソースを確保できるのがメリットです。

ちなみに、社内で保有しがちな機械設計についても外注する方法はあります。下記の記事では、機械設計の外注方法についてまとめました。

製造・組立の外注(製造請負)

部品加工や組み立てを外注する場合は、製造請負が有効なアウトソーシング先です。
自社に工場を持たないスタートアップ系の製造業では、製造はまるまる製造請負に依頼していることがよくあります。いわゆる「ファブレス」と言われる事業モデルです。

自社に工場を持つ製造業においても、増産に対応するために製造請負を活用するケースもあります。

厚生労働省では、製造請負業者に対して請負や管理能力で一定の水準が認められた「製造請負有料適正事業者」のリストを公開しています6。この中から製造パートナーを探すのも有効な手段でしょう。

バックオフィス業務の外注

経理・総務・人事労務といった間接業務も外注可能です。
現場に近い社員をこれらの間接業務と兼任させている場合、間接業務は外注して、社員を本来のコア業務に専任させることが可能になります。

例えば、さくら情報システムは人事給与業務や経理BPO業務代行を行っています。

製造業の人手不足対策②:外国人人材を頼る

特定技能外国人人材制度という枠組みで、製造業に従事する外国人が就労できる制度があります。この制度を使って自社に外国人人材を受け入れるという対策があります。

現在、製造業分野で特定技能外国人が従事する業務区分は、金属加工、電気電子機器組立、コンクリート製品製造など、製造業の多くの分野があります7

受け入れには、企業側にも外国人材が安心して日本で働けるようにするための支援計画の策定が必要です。
制度については経産省のページで説明があったり、下記のようなセミナー動画もありますので、それらの資料から詳細を確認しましょう。

丸わかり!特定技能シリーズ工業製品製造分野(新制度)完全解説セミナー

製造業の人手不足対策③:副業人材を頼る

中小企業庁によれば、「副業がある者の数」つまり副業を実践している人数は、2012年の213.2万人から2022年で304.0万人と、10年間で約100万人増加しています8

このデータは業種問わず全体的なものですが、副業解禁の流れに乗って技術者の副業人材も増加し、企業側にもマッチングのチャンスが増えるでしょう。

副業人材を探す方法については、以下の記事「求人サイト以外で機械設計者を探す方法」で解説しました。

副業人材は企業にとって自社にないノウハウや視点を持っており、うまくマッチングすれば自社の新規事業を大きく推進させることができるでしょう。

また、本業もしながら副業もするというのは大変なパワーが求められます。その分、イヤイヤやらされているのではなく、自分で選択して副業をしていますので、副業人材の自主性は高いです。その自主性の高さを、企業のビジネス推進に活用できることは企業において大きなメリットになります。

副業人材を活用するメリットは、以下の記事で解説しました。

とはいえ、企業にとっていきなり副業人材を受け入れるのには不安もあると思います。次の記事で、副業人材の活用を成功させるポイントについて解説しましたので、こちらもご参考ください。

(まとめ)製造業の人手不足は構造的な問題

この記事では、製造業が人手不足である理由について、以下の4つを解説しました。

  • 近年は比較的景気が良い
  • 若者の絶対数が減っている
  • 若者から選ばれない業界になっている
  • 50代~60代の設計者が引退する

人手不足の理由は、構造的な問題と言えます。少子高齢化も後押しし、今後もしばらくは慢性的な人材不足が続くと考えられます。

このような状況では、人を採用することに並行して、「社外の力を活用する」という視点を持ってみてはいかがでしょうか。
副業人材を取り入れれば、経験豊富な設計者の知見を活かすことができます。
設計会社の外注も活用すれば、大規模案件や繁忙期のリソース不足を柔軟に補えます。

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筆者自身も、上場企業に設計・開発者として勤めながら、機械設計の業務委託を承っています。
モータを使った動力装置や製缶物、精密装置の設計など、自社に設計者を持たない中小企業を中心に製品開発を手掛けてきました。
製造業での約15年の経験を活かし、貴社の設計パートナーとして柔軟に対応いたします。

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  1. 出典:総務省「労働力調査(12月)↩︎
  2. 出典:厚生労働省「令和7年版 労働経済の分析↩︎
  3. 出典:doda「転職求人倍率レポート(2026年1月)【最新版】↩︎
  4. 出典:就職みらい研究所「就職先産業・職業の変化から推考する、学部生の専門職志向↩︎
  5. 出典:日系クロステック「40代技術者はどこにいる?「就業構造基本調査」で見る年齢構成のゆがみ↩︎
  6. 出典:製造請負事業改善推進協議会「認定事業者一覧↩︎
  7. 出典:経済産業省「製造業における特定技能外国人材の受入れについて(工業製品製造業分野)↩︎
  8. 出典:中小企業庁「2025年版 中小企業白書(HTML版) 第4節 人材戦略」  ↩︎

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