派遣の単価はいくら?相場・内訳と製造業エンジニアの費用を解説

本記事では、人材派遣を活用するときの派遣単価の相場・内訳について解説します。

派遣の単価は、職種で大きく変わります。一般事務はおおむね時給換算2,000〜3,000円台、製造オペレーターも近い水準、技術者・エンジニアはそれより高く3,500~4,200円ほどが相場です。注意したいのは、ここで言う単価は「派遣社員の手取り」ではありません。賃金と派遣会社のマージン(社会保険料や運営費・利益を含む)を合わせた、発注企業が支払う費用です。

筆者は現役の技術者として企業で勤務しつつ、機械設計の業務委託を行っています。
技術リソースの外注手段は派遣だけではなく、フリーランスや副業人材の業務委託という選択肢もあります。小さな案件でも図面1枚から承ります。「社内の設計開発リソースが足りない」という企業様は、ぜひ、お気軽にご相談ください。

目次

派遣の単価とは?相場の早見表・料金表でまず結論

一般的な派遣の単価相場を、下の表にまとめました。あくまで一般的な相場であり、地域・スキル・時期で変わるとご理解ください。

職種カテゴリ派遣単価の目安(時給換算)代表的な職種(厚労省の区分)
一般事務・会計事務約2,200〜2,350円一般事務従事者、会計事務従事者 ほか
製造・組立・検査(製造オペレーター)約2,000〜2,450円製品製造・加工処理、機械組立、機械検査 ほか
(参考)全業務平均約3,200円
機械・製造・建築などの技術者約3,500〜4,100円製造技術者、その他の技術者、建築・土木・測量技術者
IT・情報処理・通信技術者約4,200円情報処理・通信技術者
出典:厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」表6 派遣料金(1日8時間あたりの平均)をもとに、筆者が時給換算(÷8)して作成。金額は職種・地域・スキル・時期で変動する目安です。

派遣の単価は、技術者は特に上がっています。日本経済新聞は2016年の時点で「時給5000円の求人も 派遣技術者の争奪戦が過熱」と報じており1、2026年現在の10年前からすでに技術人材の取り合いが指摘されていました。その後も製造業における技術者の人手不足、人材の取り合いの流れは続いています。

ここで注意しておきたいのは、「派遣単価」と「派遣社員が受け取る時給」は別物だという点です。

  • 派遣の単価=発注企業が派遣会社に支払う料金(上の表が相場目安)
  • 派遣社員の手取り=派遣社員が給料(賃金)として受け取る分(上の表より少ない)

この構造を理解するために、派遣単価の内訳を見ていきましょう。

派遣単価の内訳|約6割が賃金、残りがマージン

発注企業が払う単価は、ざっくり次の2つでできています。

  • 派遣労働者の賃金
  • マージン

厚生労働省「令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によると、派遣料金の平均は8時間換算で24,909円、派遣労働者の賃金は同15,968円でした2。賃金は料金の約64%、残りのマージン率は約36%になります。つまり、単価のうち約6割が派遣社員の賃金、残りの約4割がマージンという構図です。

ここで誤解しやすいのが、マージン=派遣会社の利益、という見方です。実際には、マージンには次のようなコストが含まれており、すべてが利益ではありません。

  • 社会保険料などの法定費用
  • 募集・採用にかかる費用
  • 教育訓練や福利厚生の費用
  • 労務管理・営業などの運営費

そして発注側として見落とせないのが、フルタイムの派遣は稼働の有無にかかわらず「賃金+マージン」を払い続ける構造だという点です。業務量に波があっても、契約している時間ぶんのコストは発生します。

時給5,000円は給与・年収でいくら?

「単価が時給5,000円」と聞くと高く感じますが、まず、これは発注企業が払う料金です。実際に派遣社員へ渡る賃金は、先ほどの内訳どおり約64%前後が目安になります。仮に64%とすると時給換算で3,200円。フルタイム想定でざっくり年収にすると、おおむね610万円程度です。

年収610万円というと、実務経験を積んだエンジニアを雇う金額としてはそこまで高単価とは言いにくいでしょう。しかも、正社員で長期雇用が前提ではなく、期間付きであればなおさらです。

見方を変えると、約36%のマージンが高いと感じるかもしれません。もちろん、「36%のマージンがぼったくりだ」というつもりはありません。そもそも36%すべてが派遣会社の利益にはなりません。マージンは社会保険料や、教育訓練費といった経費など、人材派遣会社の事業を継続するために必要な運営費なのです。

エンジニアの派遣単価は相対的に高い

職種別に見ると、技術者・エンジニアの単価は事務や製造オペレーターより高くなります。

また、派遣単価は、近年上昇が続いています。厚労省の集計を見ると、令和4年度の派遣料金(8時間換算)24,909円・賃金15,968円に対し、令和5年度は派遣料金25,337円(前年度比+1.7%)・賃金16,190円(+1.4%)と、料金・賃金ともに増えています3

単価上昇の背景には人手不足、技術者の争奪戦と言った構造的な要因があります。

派遣単価が下がりにくい背景

製造業の人手不足については、以下のような背景があります。

  • 将来を担う若者の絶対数が減っている
  • 人手不足:特にIT系・機電系の技術者の確保が難しい
  • 技術者の争奪:開発・生産を強化したい企業が取りあう
  • 同一労働同一賃金:派遣社員の待遇改善が進み、賃金の底上げが続く

IT系の技術者が不足しているのはよく言われていますが、意外と見落とされがちなのは機電系の製造業エンジニアの不足です。dodaによると、2026年5月時点のエンジニア(機械・電機)の求人倍率は5.86と、全体の求人倍率2.44を大きく上回っています4

筆者は現役の機械設計者として実感していますが、機械設計は3DCADの操作だけでなく、構想・強度・公差・コスト・量産性まで踏まえて図面に落とす仕事です。若い人材はITやソフトウェアエンジニアに流れ、未経験人材を教育するにしても時間がかかる職種です。機電系のエンジニアは景気に左右はされるものの、今後人材不足が見込まれ、争奪戦になりやすく、単価も下がりにくいと筆者は予想しています。

製造業が人手不足である理由については、次の記事でも解説しました。

単価だけで選ばない|目的別「技術リソース調達」の選び方・決め方

技術リソースの調達手段は、大きく3つあります。それぞれ向いている業務が違うので、選び方・決め方は「単価の高さ」ではなく「業務の性質」で考えます。

調達手段どんな業務に向くかコストの性格
自社採用中核業務を長期で担わせたい固定費(人件費を継続的に負担)
派遣常駐で継続的に手が要る定常業務稼働時間ぶんを継続して支払う
業務委託(フリーランス等)専門的・スポット/案件単位の業務必要な分だけの変動費にしやすい

大事なのは、単価の高い・安いだけで選ばないことです。同じ「技術者が欲しい」でも、社内に常駐してほしいのか、特定の設計を任せたいのかで、最適な手段は変わります。

派遣単価の交渉・見積もりのコツ

単価を抑えたいなら、見積もり段階でできることもあります。

  • 複数社から相見積もりを取り、内訳(賃金・マージン)を確認する
  • 必要なスキル要件を明確にする
  • 期間・稼働量をまとめて発注する

ただし、交渉には限界があります。賃金の底上げが続くなか、派遣会社も無理な値下げはできません。単価交渉だけで根本的にコストが下がるわけではないのです。むしろ効くのは、「業務の性質に合った手段を選ぶ」こと。ここで業務委託という選択肢が見えてきます。

派遣だけじゃない|機械設計・開発で見直したい「スポット業務委託」という選択肢

機械設計・開発のように、専門性が高く業務量に波がある仕事では、派遣以外の選択肢も検討する価値があります。それが「業務委託」です。まずは両者の強みを見ていきます。

派遣の強み|派遣会社ならではの「人材層の厚み」

派遣には、業務委託と比べて以下の強みがあります。

  • 担当者が抜けても派遣会社が次の人材を出せる
  • 常駐を前提とするため、社内に入り、長く回す業務に強い

人を入れ替えながら長期で安定運用したい業務、常に一定の稼働を確保したい業務では、派遣は今も主流の選択肢です。派遣会社がバックグラウンドにいるため、発注する企業側としても一定の質の技術者を派遣してもらえる、という安心感も大きいです。実際、大手企業は技術リソースの外注手段として技術派遣を多用しています。

業務委託の魅力|案件単位の費用対効果と、自走できる即戦力

一方、業務委託にはこんな魅力があります。

  • 月のフルタイム稼働分ではなく、稼働時間や成果物単位で発注できる
  • 独立・副業のエンジニアは、主体性とスキルを兼ね備えた人が多い。要件を渡せば設計を自走できる即戦力になりやすい
  • 派遣会社にマージンを払う必要がなく、同じ時間単価でも優秀なエンジニアを呼べる予算が組める

「この設計だけ任せたい」「立ち上げ時期だけ手が足りない」といった場面では、稼働の有無にかかわらず払い続ける派遣よりも、稼働した分だけ、成果物単位で報酬を支払う業務委託のほうが費用対効果が高いことがあります。また、派遣会社に支払うマージン(単価の約4割)が無いのも無視できません。

機械設計の業務委託については、以下の記事でも解説しました。

どちらが向く?業務の性質で使い分ける

業務委託と派遣の向き・不向きを表にまとめました。

業務委託が向く派遣が向く
業務専門的・スポット/案件単位・量に波がある設計や開発常駐で継続的に手が要る定常業務
人材自走できる即戦力が欲しい入れ替えつつ長期に安定運用したい
コスト必要な分だけ。固定費を抑えたい常時の稼働を確保したい

技術者の外注では派遣が定番であるがゆえに、業務委託という手段は見落とされがちです。しかし、機械設計・開発のような専門業務やスポット業務では、業務委託も十分に有力な選択肢になります。「どちらが正しい」ではなく、業務の性質で使い分けるのが現実的です。

筆者が運営するキウイ設計では、機械設計・開発を「必要な分だけ」スポットで業務委託として請けています。業務委託の発注は案件単位なので、業務量の波に合わせて使えます。「この設計だけ外に出したい」「派遣を入れるほどではない」というときの受け皿として、選択肢に入れてみてください。まずは相談・見積もりからで構いません。

まとめ:単価は「内訳を理解し、専門業務は業務委託で最適化」

今回のポイントを整理します。

  • 派遣社員の単価は発注企業が払う料金。本人の手取りとは別で、賃金とマージン(社会保険料・運営費・利益を含む)で構成される
  • 単価の内訳は賃金約64%・マージン率約36%
  • IT系・機電系の技術者は単価が高い傾向
  • 人手不足や同一労働同一賃金で、単価は構造的に下がりにくい
  • だからこそ「技術リソースの外注手段」を見直す。常駐の定常業務は派遣、専門・スポットの設計案件や開発は業務委託、と業務の性質で使い分けるのがポイント

派遣は技術リソースの外注としては最も定番です。そのうえで、機械設計・開発のように専門性が高く業務量に波がある仕事では、業務委託という手段があることも知っておいてください。固定費を抱えずに、必要な専門性を必要な分だけ確保できます。

キウイ設計では、現役の機械設計者が機械設計・開発を業務委託として請けています。「この案件だけ」「この時期だけ」でも相談できます。まずは無料見積もりから、お気軽にご相談ください。

参考文献

  1. 出典:日本経済新聞「時給5000円の求人も 派遣技術者の争奪戦が過熱」(2016年1月) ↩︎
  2. 出典:厚生労働省「令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)↩︎
  3. 出典:厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)↩︎
  4. 出典:doda「転職求人倍率レポート【最新版】↩︎

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