機械設計のフリーランスにはどんな人がいるのか、企業がフリーランスに仕事を依頼するメリット3選、依頼する方法4選を紹介します。
「設計者を募集しても応募が来ない」「今いる設計者だけでは手が回らない」という企業に向けて、社員の雇用だけでなく、フリーランスの活用という選択肢を紹介します。帝国データバンクの調査では、2026年4月時点で50.6%の企業が正社員の不足を感じており、4年連続で半数を超えています1。設計者の採用は今後も簡単にはならないと筆者は考えています。
筆者は現役の技術者として企業で勤務しつつ、機械設計の業務委託を行っています。キウイ設計では図面1枚からといった小規模案件でも実績がございます。設計リソースの不足にお困りの際は、まずは無料見積もりから、お気軽にご相談ください。
機械設計のフリーランスとは

機械設計のフリーランスと一口に言っても、働き方はさまざまです。
代表的な類型は次の通りです。
- 独立起業した個人事業主:会社勤めを辞めて独立し、個人事業で設計案件を請ける人
- 設計会社の経営者:法人化して会社を起こし、設計会社の社長となった人
- 副業人材:企業に所属しながら、個人でも設計案件を請ける人
法人化した設計会社の社長は厳密にはフリーランスと呼ばないかもしれませんが、もともと一人の設計者として独立した点は共通です。平日は会社員として働き、副業として設計を請ける人もいます。IT化の進展やパソコンの性能向上、在宅勤務の環境が揃ってきたことにより、副業で機械設計の仕事ができる環境は整ってきています。
ランサーズの調査では、副業人材を含む日本のフリーランス人口は1,303万人にのぼります2。機械設計の分野でも、社外の個人に仕事を頼める環境は着実に広がっていると筆者は感じています。
対応範囲も人によって幅広く、構想検討から3Dモデル・2D図面の作成、強度計算まで一貫して請ける人もいれば、図面作成やCADオペレーションに絞って請ける人もいます。依頼したい業務の範囲を明確にしてから探すと、ミスマッチを防げます。
機械設計の業務委託については、以下の記事で解説しました。

フリーランスに依頼するメリット3選

企業がフリーランスに仕事を依頼するメリットは、次の3つです。
①雇用リスクが低い
日本では、労働契約法16条により、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効とされています。正社員をいったん雇用すると解雇のハードルは高く、仕事量が減っても人件費は固定費として残り続けます。採用した人が期待と違っても、簡単には後戻りできません。
また、機械設計の仕事量は、装置の受注や開発プロジェクトの立ち上がりに合わせて山谷が生じやすいものです。繁忙期に合わせて正社員を増やすと、閑散期に仕事を持て余すという悩みも生まれます。
一方、フリーランスへの依頼は雇用契約ではなく業務委託契約です。プロジェクト単位・期間単位で依頼でき、スポットで1案件だけ任せることもできます。設計の仕事があるときだけ外部のリソースを使えるため、企業側の雇用リスクを減らせます。自社に合った良い人材を見つけられれば、求人広告費や面接の工数も抑えられ、即戦力の設計者に必要な期間だけ依頼できます。
もちろん、業務範囲・報酬・納期を巡って後からトラブルにならないよう、業務委託契約書は締結すると良いでしょう。契約書を交わした上でも、雇用に比べて身軽に始められる契約形態です。
②良い人材を見つけたら継続的な依頼ができる
まずはお試しで小さな案件を依頼し、この人は良いなと思ったら継続案件をお願いする、という進め方ができます。面接だけで判断する採用と違い、実際の成果物と仕事の進め方を確認してから任せる範囲を広げられるのがフリーランス依頼の利点です。例えば、最初は部品図数枚の作図やモデリングを依頼し、品質と納期を確認できたらユニット単位の設計、装置全体の構想検討へと段階的に広げていく形です。
安定して仕事を受注できることは、フリーランス側にとっても大きなメリットです。発注側は品質のわかった相手に頼めて、受注側は営業の手間なく仕事が続く。小さく始めて継続につなげる流れは、双方にとって良い関係と言えます。
③主体性のある人材が多い
自ら独立した人は、仕事を自分で取りに行く覚悟を決めた人です。納期や品質がそのまま次の受注に直結するため、当事者意識を持って自走する人が多いと筆者は感じています。指示待ちにならず、仕様の曖昧な点を自分から確認しに来る設計者は、発注側にとって頼りになる存在です。
とはいえ、フリーランスの実力は玉石混交です。まずは小さな案件で見極めてから本格的に任せると良いでしょう。見極めの観点としては、次のような点があります。
- これまでの設計実績(担当した装置・部品の分野が自社の依頼内容と近いか)
- 使用できるCADと、自社のCAD環境・納品形式との相性
- 見積もりや納期回答のスピード、やり取りの丁寧さ
「社会人として働くことが向いていないのでフリーランスを選択した」というタイプもいるので、見極めは必要です。
依頼方法4選


機械設計者といえば、正社員や派遣社員として企業で働く人が大半です。フリーランスの設計者と接点がなく、どうやって依頼すればよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、フリーランスに仕事を依頼する方法を4つ紹介します。
フリーランスに限らず機械設計を外注する方法については、こちらの記事で解説しました。


①つて
前職のつながりや、取引先・商社経由の紹介です。私の知り合いのフリーランス設計者のケースですが、会社員時代の取引先の商社が間に入って仕事を紹介してくれたようです。独立後に、前職の会社から正社員としてではなく業務委託として仕事を請けるパターンも多いです。
機械設計で独立している人は、前職のつてで仕事を得ている人が体感的に多いと筆者は感じています。人柄と実力がすでにわかっている相手に頼めるため、発注側にとっても安心感のあるルートです。
一方で、つてだけに頼ると候補者は限られます。周囲に独立した設計者がいない場合は、以降で紹介するサービスを使うと良いでしょう。
②フリーランス仲介サイト
機械設計のフリーランスはIT系に比べるとまだ数が少ないものの、機電系のエンジニアに対応したフリーランス仲介サービスは増えています。
- ロボカル:機械設計・制御設計などFA業界のエンジニアに特化した人材紹介・案件紹介サービス
- エンベスト:IT・機電分野に強いフリーランスエージェント
- フリーランスボード:多数のエージェントが扱う案件をまとめて検索できる案件検索サイト
- XEBALLER(エクスボーラ):製造業に特化し、エンジニアから顧問クラスまで紹介するサービス
担当者が要件をヒアリングして候補人材を提案してくれるサービスが多く、初めてフリーランスに依頼する企業でも使いやすいルートです。例えばロボカルは、費用が発生するのは採用または案件の稼働が始まったときのみの成果報酬型で、掲載料のような固定費をかけずに人材を探し始められます。
サービスごとに得意分野が異なるため、依頼したい内容(機械設計・制御設計・顧問相談など)に合わせて選ぶと良いでしょう。
③クラウドソーシングサイト
仕事を頼みたい発注側と、仕事が欲しい受託側が、インターネット上でマッチングするサイトです。
発注の流れはサイトによって異なり、クラウドワークスやランサーズのように発注側が案件を公開して応募を待つ形式と、ココナラのように出品されたスキルを選んで購入する形式があります。JOINSとサンカクは、厳密にはクラウドソーシングというより副業・兼業人材とのマッチングサービスですが、社外の設計リソースを探せる点は共通です。
クラウドソーシングサイトでは、過去の実績や評価を確認しながら幅広い候補から選べます。小規模・スポットの案件から気軽に発注しやすいのも特徴です。
④個人のブログやSNS
フリーランスの設計者が、自分のブログやSNSで仕事を募集しているケースです。SNSの中では、Xで発信をしている設計者が多い印象です。日頃の発信内容や公開されている制作事例から技術力と人柄が見えるため、依頼前の見極めがしやすいルートと言えます。連絡手段は投稿へのリプライやDMが一般的で、仲介手数料がかからない分、条件のすり合わせは直接行うことになります。
実は、筆者もその一人です。現役の技術者として企業で勤務しつつ、キウイ設計として機械設計の業務委託を行っています。構想検討から3Dモデル・図面作成まで対応しており、図面1枚からといった小規模案件でも実績がございます。まずは無料見積もりから、お気軽にご相談ください。
まとめ
本記事の要点は次の通りです。
- 機械設計のフリーランスには、独立した個人事業主・設計事務所・設計会社の経営者・副業人材がいる
- 依頼するメリットは、①雇用リスクが低い、②良い人材に継続依頼ができる、③主体性のある人材が多い、の3つ
- 依頼方法は、①つて、②フリーランス仲介サイト、③クラウドソーシングサイト、④個人のブログやSNS、の4つ
機械・電気エンジニアの転職求人倍率は5.86倍(2026年5月)と、転職市場全体より大幅に高い水準です3。つまり、正社員は企業において不足しているということがデータからわかります。
正社員の採用だけにこだわらず、フリーランスの活用も選択肢に入れると、設計リソース不足の打ち手が広がります。人材不足の時代に、ぜひご検討ください。
参考文献
- 出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」 ↩︎
- 出典:ランサーズ「フリーランス実態調査 2024年」 ↩︎
- 出典:doda「転職求人倍率レポート(2026年5月)」 ↩︎

