製造業では、設計リソースが足りないまま案件だけが増えていく状況が珍しくありません。
採用しようにも設計経験者はなかなか見つからず、育てるには時間がかかります。そこで検討されるのが、設計業務を社外に任せる「設計アウトソーシング」です。
今回は現役の機械設計者である筆者が、設計アウトソーシングのメリット・デメリットから、外に出せる業務と社内に残すべき業務、費用相場、委託先の選び方までを解説します。
※なお、本記事は製造業の機械設計を前提に解説します。
「設計を外に出したいが、どこまで任せてよいか分からない」
「相場が分からず、見積もりが高いのか安いのか判断できない」
という方は、今回の記事が参考になれば嬉しいです。
キウイです。現役の機械設計者の仕事をやりつつ、ブログ「キウイ設計」を運用しています。
キウイ設計では、設計者の人手不足を感じている企業向けに機械設計の業務委託を行っています。図面1枚からの小規模案件も対応いたします。まずは無料見積もりから、お気軽にご相談ください。
設計アウトソーシングとは


アウトソーシングとは、自社の業務の一部を外部の事業者に委託することです。設計では、機械設計のアウトソーシングとして、社外の設計会社や技術者に設計業務を任せることを指します。
似た言葉に「外注」がありますが、使われ方には微妙に違いがあります。外注は「この図面を1枚描いてほしい」といった単発の依頼を指すことが多いです。一方でアウトソーシングは「3Dモデリングは今後も外に出す」のように、設計機能の一部を継続的に外部に置くというニュアンスで使われる印象です。
つまりアウトソーシングは、目の前の忙しさをしのぐ手段ではなく、組織体制において何を社内で取り組み、何を社外に依頼するかという判断です。
外注・業務委託・請負・派遣との違い
設計を外部に任せる方法にはいくつかの呼び方があり、混同されがちです。それぞれについて、以下の表で整理しました。
| 呼び方 | どんな頼み方か | 作業の進め方 | 何を約束してもらうか | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| アウトソーシング/外注 | 社外に任せることの総称 | 委託先に任せる | 下の2つのどちらの形で契約するかによる | 継続的に任せる場合をアウトソーシング、単発や繁忙期の穴埋めを外注と呼び分けるのが慣習 |
| 業務委託(準委任型) | 特定の業務を進めてもらう | 委託先に任せる | 決められた業務を進めること。完成までは約束しない形が一般的 | 検討・調査・技術支援など、完成の形を先に決めにくい業務 |
| 業務委託(請負型)=請負 | 成果物を仕上げてもらう | 委託先に任せる | 図面一式など、決めた成果物を仕上げること | 納品物と完成の基準を先に決められる業務 |
| 派遣 | 技術者に来てもらう | 自社が指示する | 決めた条件に合う技術者が来ること。成果物の完成までは約束されない | 内容が流動的で、自社が都度指示しながら進めたい業務。自社に常駐して進めたい業務 |
業務委託契約書でも、中身は「成果物を仕上げてもらう形」と「業務を進めてもらう形」のどちらかを依頼前に明確にし、依頼先とすり合わせましょう。
業務委託において、伝えるのは具体的にお願いしたい業務内容であり、作業手順や勤務時間の指示ではありません。日々の作業の進め方や勤怠管理まで自社で決めたい場合は、委託ではなく派遣が向いています。委託の形で細かく指示すると、契約の形と実態がずれてしまうので注意しましょう。
派遣の単価については、こちらの記事で詳しく解説しました。


また、機械設計における「請負と業務委託の違い」については、以下の記事で詳しく解説しました。


設計アウトソーシングが増えている背景
背景にあるのは、設計者の不足です。
機械設計は3D CADの操作だけの仕事ではありません。構想・強度・公差・コスト・量産性まで踏まえて図面に落とします。未経験者を育てるには時間がかかり、若い人材はIT・ソフトウェア分野に流れています。「機械設計者が不足している」「経験のある設計者が欲しい」という声は、製造業のオフ会で同業者と交流したり、転職エージェントと話したりする中でよく耳にします。
また、企業の正社員は純粋な設計業務だけを抱えているワケではありません。部内・課内の打ち合わせ、サプライヤーとのやり取り、調達・製造など他部門との打ち合わせ、改善活動など、様々な業務を抱えています。社内の設計者は目の前の仕事に追われ、詳細設計や図面作成までなかなか手が回らない状況なのです。
この2つが重なり、社内の設計者を上流の仕事に集中させ、それ以外を外に出すというアウトソーシングを製造業では行っています。
機械設計の人手不足については、機械設計の人手不足の理由と対策2選でも解説しています。


設計アウトソーシングのメリット・デメリット
外部に任せる判断をする前に、良い面と欠点の両方を押さえておきましょう。
設計アウトソーシングのメリット
メリットは、以下の通りです。
- 社内の設計者を上流の仕事に集中させられる。構想設計や仕様の詰めといった、自社にしかできない業務に社員のリソースを集中させられます
- 繁閑を変動費で吸収できる。採用と違い、案件が終われば発注量を調整できます
- 社内にない専門性を使える。構造解析や特定の機構など、自社に経験がない領域を外から補えます
- 立ち上がりが速い。採用には数か月かかりますが、外注であれば数日から動けます
設計アウトソーシングのデメリット
デメリットは、以下の通りです。
- 設計ノウハウが社内に蓄積されない。外に出した業務の経験値は、委託先に貯まります。何を出して何を残すかを決めずに続けると、社内で設計できる人がいなくなります
- 技術情報が社外に出る。図面データや製品の仕様が外部に渡るため、秘密保持契約(NDA)と知的財産の取り決めが前提になります
- 品質にばらつきが出て、伝達コストがかかる。委託先や担当者によって図面の質は変わります。仕様を伝える時間と成果物の確認(検図の工数)は、発注側に発生します
デメリットの多くは、依頼する範囲を決め、仕様を文書化することで小さくできます。この記事の後半では、その具体的なやり方を解説します。
設計アウトソーシングで外に出せる業務・社内に残す業務
ここからは、設計のどこまでを外に出せるのかを見ていきます。設計・開発のアウトソーシングでは、開発の上流ほど社内に残るのが基本です。
外に出しやすい業務
比較的アウトソーシングしやすいのは、次のような業務です。
- 3Dモデリング
- 部品図の作成(バラシ)
- 紙図面やPDFのCADデータ化(トレース)
- 既存機種をベースにした流用設計
- 強度計算・構造解析
共通しているのは、やるべきことを図面や仕様書に書き出せる業務だという点です。入力(何を作るか)と出力(何を納品するか)がはっきりしている業務は、社外に切り出しやすいです。
業務委託で依頼できる業務・進め方のポイントは、以下の記事で詳しく解説しました。


社内に残したほうがよい業務
一方で、外に出すと失敗しやすい業務もあります。
一般的には、要求仕様を決めるなどの上流工程は社内に残すと良いでしょう。既存のラインナップにおいて新機種を作りたい場合は、自社のお客さんが何を求めているのか、そのためにどんな機能・どこまでの性能が必要なのかは、製品を売っている自社が判断するポイントです。
製品設計の場合はその製品のコア部分は社内で手掛け、周辺部分を社外に依頼するという切り分けがセオリーです。例えばモータの設計なら、ステータコアやロータ、コイル、軸受けの選定はコア部分に相当(自社で担当)し、モータの評価のための試験装置は周辺部分(アウトソーシング)といった位置づけになるでしょう。
設計アウトソーシングの費用相場
費用は、発注を検討するうえで最も気になるところでしょう。ここでは公的な単価と、実際の相場の両方を見ていきます。
設計業務の単価は国土交通省が毎年公表している
設計業務の単価には、国が毎年公表している公式の数字があります。国土交通省(以下、国交省)の「設計業務委託等技術者単価」です1。国交省の積算基準に組み込まれ、公共事業の予定価格を算出するために使われている単価です。
令和8年3月から適用されている単価のうち、設計業務にあたる職種と基準日額は以下の通りです。
| 技術者の職種 | 基準日額 |
|---|---|
| 主任技術者 | 90,300円 |
| 理事、技師長 | 82,800円 |
| 主任技師 | 70,900円 |
| 技師(A) | 62,600円 |
| 技師(B) | 49,300円 |
| 技師(C) | 42,500円 |
| 技術員 | 36,700円 |
出典:国土交通省「令和8年3月から適用する設計業務委託等技術者単価について」
この日額は所定労働時間内の8時間あたりの金額です。基本給・諸手当・賞与に加えて、社会保険料などの事業主負担額まで含みます。時間外・休日・深夜労働の割増賃金・旅費・一般管理費などの諸経費は含まれていません。
国交省の単価と製造業の見積もりの相場は異なる
8時間で約90,000円なら、時給換算だと11,250円。社会保険料を含んだとしても、結構高くない?
こう思う方もいらっしゃるかもしれません。
実際、この単価は、機械設計の外注費の相場とは一致しないです。 理由は3つあります。
- 用途が限定されている。国交省が「公共事業の設計業務委託等の積算に用いるためのもの」と明記しています
- 民間の契約を拘束しない。同じ資料に「外注契約における技術者単価や雇用契約における技術者への支払い賃金を拘束するものではない」と書かれています
- 調査の母集団が違う。もとになっている給与実態調査は、過去に国交省発注業務の受注実績がある企業が対象です
対象業務も設計(建設コンサルタント)・測量・地質調査・航空船舶関係が中心で、機械設計とは労働市場そのものが異なります。「国の単価がこの金額だから、うちの外注もこの水準で」という使い方にはならないです。
設計業務委託等技術者単価の推移|14年連続で上昇
それでも見る価値はあります。技術者の人件費が上がり続けていることを、公的なデータで確認できるからです。
| 適用年度 | 全職種の単純平均 | 対前年度比 |
|---|---|---|
| 令和8年度 | 51,715円 | +4.3% |
| 令和7年度 | 49,570円 | +5.7% |
| 令和6年度 | 46,880円 | +5.5% |
| 令和5年度 | 44,455円 | +5.4% |
| 令和4年度 | 42,195円 | +3.2% |
出典:国土交通省の公表資料をもとに筆者作成
国交省は令和8年度の改定について「14年連続の引き上げ」であり、公表を開始した平成9年度以降で最高値を更新したと発表しています。引き上げが始まる直前の平成24年度(2012年)と比べると約65.5%も上昇しています。
設計の外注費が以前より高く感じると感じる方もいるかもしれませんが、これは技術者の人件費そのものが構造的に上がっているためです。この流れは製造業でも同じです。
製造業の設計アウトソーシングの実勢単価
製造業で実際に使われている単価は、時間あたりで見ると次のようになります。
| 委託先 | 時間単価の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 技術者派遣 | 約3,570〜4,020円 | 厚生労働省の集計をもとに時間換算2 |
| 設計会社 | 依頼内容・見積もりによる | 図面枚数あたりの価格や、時間単価で契約する場合もある |
| クラウドソーシング・マッチングサイト | 2D CADで3,000円前後、3D CADで3,500円前後3 | 依頼内容により変動するが、一般的には安めの相場 |
| フリーランス・副業設計者 | 依頼内容・見積もりによる | 図面枚数あたりの価格や、時間単価で契約する場合もある |
技術者派遣の数字は、厚生労働省が集計した令和6年度の派遣料金からの時間換算です。機械設計に近い職種で見ると、製造技術者で約3,570円、その他の技術者で約4,020円でした。いずれも1日8時間あたりの派遣料金を時間に割り戻した金額です。
単価そのものより、業務の性質・依頼内容にマッチするかどうかを選ぶほうが手戻りが少なくなり、結果的に安くつきます。この点は後ほど詳しく解説します。
参考として、技術者派遣の大手であるメイテックが公表している平均単価は、2026年3月期で6,159円/時間でした4。1日8時間・月20日で計算すると、1人あたり月99万円ほどです。筆者の経験上、派遣技術者さんに支払っていた感覚とも一致します。
派遣単価の相場と内訳については、以下の記事で詳しく解説しました。


図面1枚あたりの相場(CAD図面作成の料金)
CAD図面作成を図面単位で依頼する場合、クラウドソーシングの相場では、トレースや部品図で1枚5,000円〜1万5,000円、A1サイズの組立図・計画図で4万円程度です。
CAD外注の相場は、CAD外注の料金相場と依頼方法4選で詳しく解説しています。


安さだけで選ぶと高くつくことがある
外注の価格は、基本的に「時間単価×工数」で決まります。例えばA3の部品図1枚に3時間かかるなら、時間単価3,500円で10,500円です。極端に外れた安い見積もりは、工数の読みが浅いか、検図の工程を省いている可能性があります。
もちろん、安い委託先が全て悪いわけではありません。ベトナムなど海外に設計拠点を持ち、単価を下げている設計会社もあります。トレースや定型の作図であれば、こうした委託先を選ぶのは合理的な判断です。
注意すべきなのは、公差や材質の判断が必要な図面まで、定型作業の価格で請ける見積もりです。相場から極端に離れた見積もりは、発注者と受注者の間で齟齬が生じやすく、あとから手戻りが発生するリスクが高まります。手戻りコストによってかえって高くなってしまった、というケースも生じうるでしょう。
設計アウトソーシング先4選と使い分け


設計のアウトソーシング先は、大きく4つのパターンがあります。
①設計会社
設計を専門に請け負う会社です。複数のエンジニアが在籍しているため、まとまった量の作図を安定して任せられます。図面1枚単位で明朗会計になっていることが多く、費用の見通しも立てやすいです。
なお設計会社の中には、ベトナムなど海外に設計拠点を持ち、現地の人件費を活かして単価を抑えているところもあります。トレースや部品図といった仕様が明確な業務では、有力な選択肢になります。
②技術者派遣
派遣会社からエンジニアを受け入れる形です。自社に常駐する勤務形態のため、社内の設計者と同じように指示を出せます。社内の設計者と密に連携したい業務や、社内の資料を見ながら進める業務に向いています。
時間単価は比較的高めで、大手であれば6,000円台になることもあります。
③クラウドソーシング・マッチングサイト
インターネット上で設計者を募集する方法です。単発・低予算の作図であれば、比較的抑えた費用で依頼できます。
応募者のスキルにはばらつきがあり、選定に手間がかかります。まずは小さな案件から試しながら、自社に合った人材を見つけ出すことがポイントです。
④フリーランス・副業設計者
個人の設計者に直接依頼する形です。個人の設計者はそれぞれ得意分野が異なり、マッチした設計者に依頼すれば自社にとって最適なアウトソーシングができます。「この設計者は自社にマッチするな」と思えば、継続案件を持ちかけるのは双方にとって良い提案です。個人の設計者としても、継続=安定的に売上が立つのはありがたい話です。
一方、クラウドソーシングサイト同様、個人ごとに得意分野も稼働できる量も違うため、業務内容の期待値のすり合わせが必要です。また、自社にマッチした設計者を探すのもひと手間かかります。
フリーランス設計者の探し方(依頼方法)は、「機械設計のフリーランスについて、現役設計者が解説します」の記事にまとめました。


アウトソーシング先 使い分けの早見表
| アウトソーシング先 | 向いている業務 | 費用の傾向 |
|---|---|---|
| 設計会社 | トレース・部品図をまとまった量で | 図面1枚単位で明朗 |
| 技術者派遣 | 常駐して社内の業務を継続的に | 約3,570〜4,020円/時間 |
| クラウドソーシング・マッチングサイト | 単発・低予算の作図 | 抑えやすい |
| フリーランス・副業設計者 | 構想の具体化から図面まで柔軟に | 依頼内容・個人しだい |
依頼先の選び方については、以下の記事でも詳しく解説しました。「4つの方法をもっと具体的に比べたい」という方はご参考ください。


設計アウトソーシングを依頼する流れ


設計アウトソーシングは、次の流れで進むのが一般的です。
- 問い合わせ・ヒアリング:依頼したい業務、量、希望納期を伝える
- 業務委託契約・秘密保持契約(NDA)の締結:図面や仕様を渡す前に結ぶ
- 仕様書・参考資料の提出:要求仕様や既存図面など、業務を進めるのに必要な情報を渡す
- 見積もり・契約:金額、納期を具体的に確認する。業務委託契約の段階で単価を決めるケースもある
- 中間レビュー:構想段階や3Dモデルの段階で一度確認する
- 納品・検収:納品物を確認し、問題がなければ検収する
手戻りを防ぐうえで効くのは5番の中間レビューです。図面が仕上がってから方向性の違いが分かると、やり直しの範囲が大きくなります。筆者の経験的には、①構想段階、②3Dモデルができた段階の少なくとも2回は中間レビューをすると手戻りが少なくなりました。
各ステップの詳細は、機械設計の業務委託:依頼できる内容と進め方で解説しています。
設計アウトソーシングを成功させる5つのポイント


ここでは、受注する側から見て「うまくいく発注」に共通している5つのポイントを挙げます。
①作りたいものの仕様を明確に。できれば文書化しておく
仕様説明を口頭に留めたり、仕様があまり明確でない状況で進めると、「ここまでやると思ってなかった」という設計者側の認識のずれが後半で表面化します。
設計者が「どんなものを作ればいいか概ね理解できた」と言えるレベルまで作りたいものの仕様を明確にしておきましょう。仕様書といったガチガチの文章まで固める必要まではありませんが(あまり形式化しすぎると、発注側の手間もかかりますし)、Wordやエクセルなどで文章化しておくのがおすすめです。発注側も、何を依頼すべきかという整理ができます。
キウイ設計では「作りたいものの仕様(開発仕様)を固める」ところから伴走いたします。メーカーの開発部勤務で要求仕様・開発仕様を決める業務経験がございます。この経験を活かし、「ざっくり、こんなものを作りたいんだよね」というレベルから仕様書まで落とし込む工程も担当いたします。お気軽にお問い合わせください。
②検図は自社で行う
委託先の検図に加えて、自社でも検図の工程を確保すると良いでしょう。とくに、社内標準や過去のトラブル対策といった社内の慣習は、社内で確認するほうが良いです。
③小さく試してから広げる
図面1枚、あるいは1ユニット分から始めて、図面の書き方・報告の頻度・納期の守り方を確認します。アウトソーシング側の仕事の進め方や技術力が、自社に合うかを見極めていきましょう。
④業務委託内容とNDAを取り交わす
業務内容の認識のズレや情報漏洩を防ぎ、あとで揉めないために、業務委託契約書とNDAを書面で取り交わしましょう。設計業務としてよく盛り込まれるのは以下の点です。
- 業務内容と単価(単価は業務内容に応じて個別に協議とすることもある)
- 成果物(図面・3Dデータ)の権利の帰属
- 委託先が成果物を他社案件に流用しないこと
- 委託先の請求のタイミングと、支払期日
ネットのひな型をそのまま使うのはおすすめしません。実態と合っていない条項が入っていると、かえってもめる原因になります。自社の実態に合わせた原案を弁護士に作成依頼すると、以後の発注時もある程度使いまわすことができます。
⑤窓口を一本化する
社内の複数人がそれぞれ委託先に指示を出すと、仕様が競合したときに混乱します。社内であっても、複数の人から社内手続きを教えてもらった時に「この人とあの人で、言っていることが違う…」となった時はないでしょうか。あれと同じことが、アウトソーシング先でも発生しかねません。
対策としては、アウトソーシング先との窓口は一本化するのが良いです。「この委託先の担当は〇〇さん」と担当者を決めておくのも手です。
個人的なおすすめは、チャットグループを作り、そこを委託先とのコミュニケーションの場所とすることです。チャット内なら情報が共有されますし、たとえ複数の人から指示が来たとしても、「最終的な指示はこういうことですよね」とまとめやすくなります。私個人の経験で言うと、クライアントとはChatworkやSlackでやりとりさせていただくケースがあります。
まとめ:設計アウトソーシングは「どこまで出すか」を決めることから
今回は、設計アウトソーシングのメリット・デメリットと費用相場、委託先の選び方を解説しました。
以下、本記事の内容をまとめました。
- 設計アウトソーシングは、設計機能の一部を継続的に外部に置くニュアンスで用いられる
- デメリットはノウハウが社内に残らないこと・情報が外に出ること・品質のばらつき
- 図面や設計書など、アウトプットが明確な業務は切り出しやすい
- アウトソーシング費用は幅があるが、概ねクラウドソーシングの3,000円台/時間から、大手の技術者派遣の6,000円台/時間。人件費は上昇傾向(国交省の技術者単価は14年連続上昇)
- 委託先は単価ではなく、どんな業務をお願いしたいかで選ぶ
委託先を探すより先に、自社のどこまでを外に出すのかを決めることが重要で、ここで悩んでいる企業も多い印象です。逆に言えばどの業務を切り出して依頼するかがはっきり決まっていれば、委託先の選定や会話もスムーズに進みます。
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参考文献
- 出典:国土交通省「令和8年3月から適用する設計業務委託等技術者単価について」(令和8年2月17日 報道発表) ↩︎
- 出典:厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」 ↩︎
- 出典:クラウドソーシングTimes「CAD設計依頼の相場について知る!図面単位や時間単位ではどの位?」 ↩︎
- 出典:株式会社メイテックグループホールディングス「2026年3月期 決算説明資料」 ↩︎

